理想の働き方について

共著ブログ私信電信、今回は理想の働き方について。

まず最初に、今の勤務先をやめるときがきたら、そのあとはちょっと一年くらい隠居したいなという気持ちがある。 自分は仕事が終わったあとの切り替えがあまり上手でなく(子供が生まれて半強制的に5時ごろに仕事を終わるようにはなったけど)仕事してないはずの時間にも仕事しちゃったりslack見ちゃったりしてる。どうせall-inならスタートアップで働いたほうが楽しいなと思って2社で合計5年近く働いて、まあ楽しくはあるんだけど、さすがにちょっと飽きてきた。

とはいえまだ完全に隠居するって感じでもないし、ちょっと自分の理想の働き方についてつれづれ書いてみることにする。

オフィス vs リモート

前職は若者が多いサンフランシスコのスタートアップという感じで、オフィスに活気があって、毎日同僚とランチして、毎日外のカフェに一緒にコーヒーを買いに行ったりしてた。ここで出会った人とは今でもたまに週末に会ったりしている。

一方コロナ後に転職した現職は、フルリモートで、10人くらいのチームなのに物理的に会ったことない人が半分くらいいる。年齢的にも子供がいたりする人が多いので、ソーシャルでの交流は控えめ。

これについてはどっちも良し悪しあるなと思っている。前職に転職したときは若いスタートアップのみんな仲良しな感じが羨ましかった。けど、最近の自分の生活スタイルと自分の性格だと、フルリモートでお昼ごはんはそれぞれ家族と食べる感じのほうがあっているなという気がする。

マネージャ vs テックリード

気づけば自分もいわゆる「シニア」と呼ばれる経験年数になってきて、マネージャやってみる?みたいな話がちょくちょく出てくる。前職ではちょっとだけIC(indivisual contributor)兼マネージャを経験したあとまたICに戻してもらって、転職してきた現職ではhead of engineeringというタイトルでマネージャっぽいことをしている(が、組織図上は全員CEO直属の部下なので、給与査定とかはやってないし、1:1もほとんどやってない)

head of engineeringの進化形としてVPoE (マネージャ)とCTO(テックリード)があると思っていて、自分はずっとテックリード系のパスに進みたいように思っているんだけど、一方で今の自分がやってる業務を考えると、わりとマネージャぽいのが多いような気もする(各種調整、雑務の引き受け、採用などなど)。というか初期スタートアップにいるといわゆる技術的なところよりもビジネスにクリティカル、かつ他に誰も引き受けてくれないことがたくさんあるので、雑用引受けマンになりがち。そうするといわゆるCTOに求められるような技術的深みのようなものがたまらないので、難しいのよな。実際前職ではずっと創業初期から会社を支えていたhead of engの代わりに、別の会社からVPoEとCTOを雇い入れていたので、自分もそういう感じになるのかも、という感じもある。

charity.wtf

この記事にある "There’s nothing worse than reporting to someone forced into managing. Please don’t be one of the reasons people burn out hard on tech." というのはほんとそうだよなと思っていて、people managementが得意で好きな人が入ってくるなら、それはそれでありだよなと思っている。

リードとしてプロジェクトを進めていったり方針を決めること自体は好きなので、テックリード的な立ち位置で進化していきつつ、マネージメントをやってくれる人とタッグを組めるのが理想かな。自分がグーグルでいたチームではそういう「テックリード」だけする人というのは結構いた(一方で1:1して相談に乗ってくれるはずのマネージャには完全放置されてたので僕はモチベーションを失い会社をやめたのだった)

ビジネスドメイン

転職の話をnoteに書いたときにも思ったけど、転職するときに近いドメインの経験があると優遇されるということがあり、なんだかんだずぶずぶとずっと「フィンテック」ぽい仕事をしている。フィンテックの中でも不正検出はけっこうパズル的な面白さがあると思ってて、かつ人の役にたってる感もあるので楽しいんだけど、別にこのドメインにこだわらず色々やってみたいなという気持ちもある。

技術ドメイン

フルスタックエンジニア」になりたいと思って前職に転職したんだけど、結果的に性にあっていたなと思う。現職ではインフラ(teffaform), バックエンド(go,java), 機械学習・データ分析(python), AndroidSDK, FrontendSDK (TypeScript)などを時期によってちょこちょこ触る感じだけど、一通りあれこれ触れると便利。


他の二人の記事は以下から。思想が強めで面白かった。

shishindenshin.vercel.app

最近聞いてるPodcast

TodayILearnedFM podcastを聞いてたら最近聞いてるPodcastを紹介しててよかったので自分が最近聞いてるのも書いてみる。日本語と英語半々くらいかな。日本語は1.5倍速とかで聞いてて、英語はそのままの速度で聞いてる。書いてて思ったけどテック・スタートアップものと、インタビューものが結構好きみたい。

https://open.spotify.com/episode/5mpF7FelHz4jjnxycqr5xM?si=0djN0n1SQb2CcJnaFSh5xQ

ほぼ毎回聞いてるやつ

Equity podcast – TechCrunch

TechCrunchのライター達がテックニュースについて語るやつ。TechCrunchなのでスタートアップの話が多い。一回が20分くらいで短いのと、ホストたちのパーソナリティがよくてさくっと聞ける。

Planet Money : NPR

経済とかお金に関するトピックを深堀りして話してくれるポッドキャスト。専門家や当事者へのインタビューとか、ちゃんと取材されて作り込まれてる感じの話が多くて、毎回なにかしら学んだ気持ちになる。最近だと10月6日の、タックスヘイブンにシェルカンパニーを作る話(の再放送)が面白かった。

Rebuild - Podcast by Tatsuhiko Miyagawa

サンフランシスコ在住、有名なエンジニアの宮川さんがゲストとしゃべるポッドキャスト。Nさんの回とhigeponさんの回が特に好き。

Today I Learned • A podcast on Anchor

SFベイエリア在住の二人が話題になったテック界隈のブログ記事を紹介したり、界隈の人にインタビューしたりするポッドキャスト。ホストのお二人とは境遇がそれなりに近い(渡米時期とか)事もあって話が参考になることが多い。あと僕は英語のテック記事は全然終えてないので、このポッドキャスト経由で知った記事を読んだりしている。

タイトルが気になったら聞くやつ

No Stupid Questions - Freakonomics Freakonomics

Freakonomics (ヤバい経済学)の著者スティーブンと心理研究家のアンジェラが心理学とかそのへんのトピックについて話すポッドキャスト。Frekonomicsのポッドキャストも昔は聞いてたんだけど、個人的には二人の掛け合いが聞けるこっちのほうが好き。

Acquired Podcast

VCの二人が有名企業(NetflixとかDropboxとか)の企業背景とかストーリーについて語るやつ。毎回めちゃくちゃリサーチしてて創業者の生い立ちから始まる。知ってる企業でも知らなかった裏話とかがいっぱい出てきて結構面白い

How I Built This with Guy Raz : NPR

有名企業の創業者を呼んでインタビューするやつ。いわゆるテック企業はむしろ少なくて、アパレルとか食料品とかそういうのが多いイメージ。僕は基本的にはテック企業のが好きなので興味がありそうな会社のときだけ聞いてる。

https://www.indiehackers.com/podcasts

VCからガンガン資金調達して急成長をめざすスタートアップじゃなくて、自己資金でブートストラップして地道にビジネスを成長させるindie hackersに焦点を当ててインタビューするポッドキャスト。一時期はindie hacker的なのに憧れがあり聞いてたんだけど、最近はまたスタートアップ側の人間になってしまったので(?)あんまり聞いてない。

‎PositiviTea on Apple Podcasts

海外で輝く日本人女性をインタビューするPodcast。同じく海外で頑張る人間として刺激を受ける感じの話が多い。

Podcast Archives - Software Engineering Daily

ソフトウェアエンジニアをインタビューするやつ。毎日更新されてるんだけど、長いのとゲストによって面白さにだいぶばらつきがあるので興味がありそうなときだけ聞いてる。

‎Apple Podcast内のOff Topic // オフトピック

日本在住のVCの二人が米国とかのテックトピックを話すやつ。お二人が話してる内容に詳しくて勉強になる。

2021年面白かった漫画

共著ブログ私信電信、今回は漫画について書いてきます

最近半年くらいの間に読んで面白かった漫画について書く。なるべくネタバレしないようにあっさり書いていくつもり。

推しの子 (既刊5巻)

転生芸能界もの(?) リアリティショーみたいな時事ネタもありつつ、ちょっとラブコメもありつつ、謎解きもありつつ。だいたい1巻ごとに一つの章があるのでテンポよく話が進むし、それらがするするつながっていくので気持ちよく読めて、次がどんどん気になる漫画。

サマータイムレンダ(全13巻)

タイムリープもの。タイムリープものって物語通して筋が通ってるかで作品の印象がだいぶ変わるけど、その点この作品はすっきりまとまっててとてもよかった。

ガンニバル(既刊11巻)

山間の村に赴任してきた駐在が、人喰いをしているという噂の「後藤家」に関する事件に巻き込まれていくお話。話の仄暗い感じと絵がマッチしていてよい。

葬送のフリーレン(既刊5巻)

勇者一行が魔王を倒したあと、勇者が老いて死んだ後も旅を続けるエルフのお話。こういうメタな漫画好きなのよね。「ダンジョンの中のひと」とか。特に最初の二巻くらいの勇者を思い出しながら旅してるところが面白い。

怪獣8号(既刊3巻)

ベタな怪獣ものなんだけど主人公が32歳というのがいいのかな。実際大人に向けて書かれてるらしく、おっさんとなった自分も普通に楽しめる。

終末のワルキューレ(既刊11巻)

世界滅亡をかけて人類代表と神代表がタイマン勝負をしていく漫画。あらすじだけ書くとどう考えても人間が勝てるはずが無いと思うんだけどなぜか力士と神がいい勝負したりする。バカバカほうにいい感じに突き抜けてて面白い。

九龍ジェネリックロマンス(既刊5巻)

ブコメぽい感じなんだけどそれだけじゃなくて、物語の謎があって、その謎が明かされないまま話が進んでいくので先がどんどん気になってしょうがない。九龍の町が趣があって良い。

BEASTERS(全22巻)

草食動物と肉食動物が共生する世界での学園もの。終わり方は自分はちょっと唐突な感じもしたけど、世界観がとても良い漫画。

きみを死なせないための物語(全9巻)

スペースコロニーで人類が暮らす世界で、数百年の寿命を持つ「ネオテニイ」として生まれた4人の子どもたちの話。設定も面白いしキャラクターもよいSF漫画。

他の二人の記事はこちら

https://shishindenshin.vercel.app/20210901_manga/

2歳半の息子を連れてロサンゼルス/ディズニー旅行してきた

ざっくりした日程は以下のとおり

  • 月: 移動 + サンタモニカビーチ
  • 火: ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド
  • 水: LA動物園
  • 木: Disney California Adventure
  • 金: Disneyland
  • 土: 移動

移動 + サンタモニカビーチ

息子はまだ昼寝をしているので、昼寝に移動を合わせたほうが楽かなあと考え、行き帰りともに12時過ぎ発の飛行機にした。結果的に飛行機の上で寝てくれたけど、SFO-LAXだと飛行機に乗ってる時間は50分とかなので、別に昼寝してなくてもなんとかなったような気もする。

飛行機が到着したあとはレンタカーで移動。今回は空港直結のレンタカー屋さんで、安くて、レビューが最悪じゃなかったところ、という条件でFoxという会社で借りてみた。空港直結だと思ったけど、空港からシャトルバスで移動(5-10分くらい)だった。平日だったので行列は全く無く、手続きもほぼスムーズだった。が、保険料を二重に払わされそうになった(Webで前払いしたのに現地でも払わされそうになった)のでもしご覧になってる方が同じ会社を利用するならご注意。

夕方にサンタモニカのホテルについて、歩いてサンタモニカビーチに。ビーチもきれいだし、小さな遊園地も砂浜にあり楽しかった。入場無料でアトラクションに乗るときだけチケットを買うことができるので、飛行機のライドにだけ乗った。1-2時間しかいれなかったのでまた行きたいな。

ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド

この日は朝から車でユニバーサル・スタジオ・ハリウッドに。

www.usakosodate.com

この記事が計画を建てるときにとても参考になった。

まず最初にSuper Silly Fun Landに行ってみた。ダンボ的なライドは少し怖かったみたいだけどそれなりに楽しそうにしていた。水で遊べるプレイグラウンドは息子にはまだ少し激しすぎたみたいで外から見るだけ。遊具のあるゾーンではそれなりに楽しそうにしていたけど、まだ場所見知りしてたのか10分くらいしか遊ばなかった。

その後は歩いてジュラシックパークのエリアに。途中でミニオンに会えて息子は楽しそうだった。あとジュラシックパークエリアに行くにはかなり長いエスカレーターに何度か乗る必要があり息子を抱っこしてる自分は少し怖かった。お昼を食べたあとはDino Playというプレイエリアに行くはずだったんだけど、息子がまたエスカレーターに乗りたくなってしまい、Dino Playは諦めることに。

しばらく歩き回って疲れたので、一時間座ってられるThe World-Famous Studio Tourが良さそうだと思って行ってみた。乗ってる間に息子が昼寝してくれたら良いなとも思っていた。結論から書くとこれは大失敗だったのだけど…

トラムに乗って映画の撮影に使われたセットを見学する、という趣旨の乗り物だと思ってたのだけど、実際はそれに加えて行程の途中で3D映像をみたりするところがちょこちょこあって、それがかなり臨場感があった。倉庫の中に入ってトラムが固定されて、映像に合わせて揺れたり、火が出たり水が流れてきたり、ライドとしてはすごく良くて自分ひとりならすごく楽しめたと思うんだけど、怖がりの息子は一番最初の恐竜が襲ってくる映像みたいなところで怖いスイッチが入ってしまい、ずっと「おうちかえる!」と叫んでいた。ライドの構造上途中下車ができないので、その後30分以上怖がる息子をなだめながら、怖い映像を見なくてすむように目をふさいだりしていた。これがよっぽど怖かったみたいで、このあと行くディズニーランドでもほとんどライドに乗ってくれなかったのだった…

LA動物園

この日は事前には予定を立ててなかったのだけど、ユニバーサル・スタジオで怖い思いをさせてしまったから、息子の楽しいことをしようということでLA動物園に行ってみた。泊まっていたハリウッドダウンタウンはずれの宿から車で20分くらいだった気がする。

象の展示にだいぶ力をいれてる感じっぽかったけど、タイミングが悪かったのか一度も正面から見れなかったのが残念。ちょっとしたプレイエリアがあって息子は楽しそうだった。動物園としてはまあまあという感じで、楽しかったけどわざわざ旅行で行くほどでもないかなという感想。

Disney California Adventure

この日はアナハイムまで移動してDisney California Adventureへ。ディズニーまで歩いて行ける距離のホテルだと便利かなと思って Fairfield Anaheim Resortというちょっと良いホテルに泊まったんだけど、チェックイン前に駐車する場合は$50, 滞在中も$20/dayだったので、別に徒歩圏外のホテルに泊まってディズニーランドの駐車場を使っても良かったなと思った。

Disney California AdventureはUniversal Studioより楽しいのか、遊園地的な場所になれたのか、息子は結構自分で歩いてくれた。[Mickey's PhilharMagic]というミッキーがオーケストラをする映像のを見るだけのやつがあったんだけど、暗い部屋に入った段階で2日前の怖い映像のトラウマが蘇ったのか泣き出してしまい、結局見れずに撤退した。その後もアトラクションには全く乗ってくれなかったので、ひたすら歩き回ってショップで買い物したりする年パス保持者のような楽しみ方をしていた。ちょうどAvengers Campusができたばかりみたいだったんだけど、あまりAvengersはカバーしてないのでさらっと見た程度。

そういえばこの日した失敗の話。ディズニー内のレストランの列が結構長かったけど、12時の時点でモバイルオーダのアプリをみたら"now - 12:30"みたいな感じになっていたので、モバイルオーダーだと12:30まで用意されないのではないか、と何故か思ってしまっておとなしく列に並んでいた。だけど、これは「今から用意して12:30までに取りに来てね」みたいな感じだったぽく、モバイルオーダをすれば並ばずに済んだはずだった。モバイルオーダがかなり使われてる感じで、逆にモバイルオーダじゃない列はかなり長いので、行く方はぜひアプリをいれて言ってモバイルオーダーを活用するべき。

Disneyland

この日は朝からディズニーランド。電車・乗り物好きの息子なので、まずは園内を走るRailroadに乗りに行くことに。息子は乗るまでは興味津々だったけど、いざ乗ってみるとやはり怖いのか目をつむっていて一駅で降りることになった。

とはいえさすがのディズニーランドは歩いているだけでも結構楽しかった。噂に聞くスターウォーズのエリアは流石にすごく、ロボ好きの息子も興味を示していたように思う。

その後はTarzan's Treehouseに行ってみた。木の上にある家に登って降りてくるみたいなようなもので、息子は興味を持ってグイグイ登っていた。Pirate's Lair on Tom Sawyer Islandというところも事前に行きたいねと話してたんだけど、離島に渡るためにいかだ船に乗る必要があり、息子が乗りたがらなかったので結局断念。

その後はゆるゆると歩いてToontownに。コロナの影響で殆ど閉まっていたけど、ミッキーやミニーが家の中から手を降ってくれてるのが見れたりした。あとチップとデールの家だけが唯一空いていて、これは階段をちょっと上がって家に入って、もうちょっと階段を登って降りてくるだけなんだけど、何故か息子が気に入って5回以上何度も登っていた。

夜はホテルの廊下から花火を見ることができた。が、息子は始めてみた花火も音が怖い(?)みたいだったので結局あまり見ずに部屋にこもっていた。


子連れディズニー旅行、楽しかったしなんとかなったなという気持ちもある一方で、息子の性格的にはもう少し大きくなってからからのほうがもっと楽しめたのかなという気もする。他の方のブログなどを拝見していると二歳でもライドをいろいろ楽しんでいる子供もいるようなので、性格的な違いが結構あるのかもしれない。次回はサンタモニカ周辺でもう少し時間を使えると良さそう。

OSSのはなし

私信電信、二回目のテーマは「OSSへの貢献」

OSSとキャリア

なんかこう、仕事でOSSでしてます、というとかっこいいよね。GoogleChromeの開発してて成果は全部OSSになってます、的な。転職するときも仕事で書いてるコードがOSSになって公開されてると便利そう。

GoogleOSS

そういう気持ちがありつつ前前職(Google)ではついぞOSSに関わる機会はなかった。当時はわりとコンシューマ向けっぽい仕事をしたかったので、あまりご縁がなかったのかも。

Googleは社内の巨大なモノレポに思いつくライブラリはだいたいあるし、CL(changelist)も自由に送れるので、社内でOSSぽい気持ちが満たされてしまうというのもある。そういえば社内版のtruthというライブラリに結構精力的にCL送ってた気がしたんだけど、いまgithubみたら自分の痕跡はなかった。

あと、GoogleモノレポとOSSの面白い点として、1) あるライブラリを社内で使う場合はソースを丸々githubから社内モノレポにコピーして承認レビューみたいのを受けないといけない 2) 同一ライブラリは一つのバージョンしか存在してはいけないというしばりがあった。なのでライブラリ導入、バージョンアップともにそれなりのハードルがあり、あまり気軽にOSSを使ってない感じがあった(そもそも社内モノレポにあるライブラリでだいたい事足りるし)

ぼくはOSSファンボーイだったので、いくつかライブラリを導入したり、すでに使ってるライブラリのバージョンをちまちまあげたりしていた記憶がある。

あとGoogleは自分のプロジェクトをGoogleの名前で、OSSにするプロセスもちゃんと確立されてて、手続きを満たしさえすればGoogle名義でライブラリ公開できる(その結果Googleのgithubは2000 repositoriesとかあってだいぶ玉石混交)。なんとなくかっこいい気がするのでいつかやってみたいと思っていたけど、ネタが見つかる前に転職してしまった。

スタートアップとOSS

前職(bolt)と現職では逆にOSS使ってあたりまえ、ライブラリ使って楽できるとこはとにかく楽しようというかんじ。

じぶんも仕事のうちでOSSにできる部分は積極的に公開していた。例えば自分が担当してたのは各種Eコマース向けプラグイン (これとか https://github.com/BoltApp/bolt-magento2)

Bolt時代に一番ババーンと公開したのはこれ。Rubyのactivemerchantという有名ライブラリ(shopifyがつくった)のgo版みたいな感じで、じわじわスターもついてるけど、そんなには伸びなかったな。 sleet - payment abstraction library

Hacktoberfest

OSSについて語るときに個人的に欠かせないのはDigital Ocean他がやってるHacktberfest

期間中にgithubのpublic repoにPRを4つ以上送るとTシャツがもらえるというので、2017年から毎年参加していた。去年はTシャツ目当てでゴミのようなPRを送る人がたくさんでてしまいかなしかった。

これまではすべてのpublic repoが対象だったのが、今後はOSSプロジェクトのほうが明示的に"Hacktoberfest"に参加してます、というopt-in形式になるみたいで、個人的にはとても残念

個人とOSS

個人でもいろいろやっていきたいなあと思いつつも、なかなかいいネタがない。数年前にかいたAndroidのCI用のこのスクリプトは一応7スターついてて、少なくとも数人の役にはたったのかしらと思っている。なんかシュッとライブラリ公開して1000スターとかやってみたいけど、かなりセンスが要るよねえ。

あとは個人でもときどきお世話になってるライブラリにPR送ったりはしてる。基本的にはあからさまなバグを見つけたときくらいで機能追加的なのはほとんどしてないけど。そういえばreact nativeに1年ほど前に送ったPRがまだ無視されてることを思い出した。レビュアの人は仕事してほしい。


他の二人の記事はこちら

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400人くらい面接したけど技術面接はまだまだ難しい

私信電信という共著ブログ(?)を友人たちと始めた。完全に Message Passing - はなしをふったりふられたり にインスパイアされていて、友人たちとあれこれオンラインで雑談する感覚でブログを書いたり読んだりできたらいいなという試み。

今回のテーマは「実際、競技プログラミングって採用時にどうよ?」

競技プログラム強い人が採用面接でも強いかどうか、自分の経験でいうと新卒ならかなり有利、シニアになってくるとそうでもない、という感じかな。

自分が以前働いてたスタートアップ(bolt.com)は自分の在籍してる間にエンジニアが5人から40人くらいに増えたので、たくさん面接する必要があった。あとで数えたら3年間で350回以上面接したようだった。電話面接->オファーのコンバージョン率が10%以下だった気がするのでそれなりに厳しい面接と言っていいと思う(落としすぎてリクルートチームの人から文句を言われたりした)。小さい会社だったので自分が面接して採用された人たちとは全員一緒に仕事をした。なのでこれから書くことは主にBoltでの経験に基づいている。

Boltでの面接については以前 サンフランシスコのスタートアップで面接官をしている - ベイエリアで楽しくやっていく にも書いたけど、最初の1-2年は主にコーディング面接を担当していた。そのあとは自分も「シニアエンジニア」という扱いになったので、デザインインタビューとか過去の経験を話す面接とかも担当するようになった。

技術面接で何を測りたいかというと「この人がチームに加わったとしたらチームが成し遂げたいこと(プロダクトをつくるとか)の生産性がどれだけ上がるか」ということだと思う。新卒なりジュニアなポジションの場合は、前提として実務経験はそんなになくてもいいからある程度自走できて(コードが書けて)かつ実践でいろいろ学習できるひとが欲しい、というのがあって、そのためにコーディング面接を使うというのはわりとうまく機能する気がする。

簡単に面接対策できてしまうという指摘もあるようだけど、それは一方でちゃんと目的に対して準備できるということだから、一夜漬けのテスト対策でもちゃんとコーディング問題が解けるというのは一定の価値があると思う。

自分が面接した範囲で競技プログラムめちゃくちゃやってた人はそんなにいた記憶がないのだけど、なんにせよ授業・業務の外でコーディングに自分から触れているというのはプラスだよねえとは思う。

ほかにコーディング面接の批判でよくあるのは「本当は業務をこなす力がある人を一面的な評価で落としてしまう」というもの。これについては悩ましい問題で、採用のfalse positive(優秀な人を落としちゃう問題)ってそもそも測定しようがないよね。インターンとか期間限定でボーダラインの人を雇ってみるという手もあるけど、かなり採用側のコストが高い。前述の通りBoltではかなりの数の人を落としており、実際はもっと採用しても良かったのでは、というのは当時も思っていた。

コーディング面接に限らずだけど、どうしても人は自分と似た人を採用したくなるバイアスがある気がしていて、Boltの場合はいわゆるGAFA出身のエンジニアが多かったので、採用もGAFA式のコーディング面接重視になっていた。コーディング面接の問題もアルゴリズム的なのが多かった気がする。スタートアップだからもう少し実務に近い感じとかでもいいのではという話は定期的に出ていて、面接プロセスについては在職中に何度か修正・改善を重ねてはいた。

あとはシニアになってくるとそもそもコーディング面接だけじゃなくなってくるよね、という話があると思う。Boltではシニア向けの面接は半分だけコーディングで、あとはシステムデザインと過去の経験深堀りみたいな感じだった。

現職(エンジニア数人のスタートアップ)でもシニアエンジニアを今とても欲してるけど、会社のステージ上、過去の経験が今欲しいポジションにドンピシャな人がほしくて、かなり過去の経験の比重が多い感じ。そういう場合は競技プログラムが業務に直結してるみたいな職種じゃないとあんまり競技プログラムの強さは生きなさそう。GAFAなどのシニアポジションを受けたことがないのだけど、GAFAだとシニアなポジションでもコーディングで突破できるんだろうか?

逆にシニアエンジニアになってくるとそこまでガリガリコード書いてない+いわゆるコーディング面接みたいな問題設定から離れてるので新卒よりコード面接ができない、というのは何度も見た。自分が見てきたすごいエンジニアの人はなんだかんだコード面接もすごくできる人が多かったけど、コード面接ができないけど実務上プロジェクトを前に進められる人というのは一定数いるだろうなあとは思う。

色々ぐるぐる書いたけど結論に戻ってくると、自分は今のところ

  • ジュニア→コーディング面接重視
  • シニア→過去の経験深堀りとデザインインタビュー重視

というBoltでやってた形式に落ち着いている。 これが最適なのか?というのはまあ結局の所わからないんだけど。


他の二人の記事はこちら 実際、競技プログラミングって採用時にどうよ? | 私信電信

サンフランシスコから車で一時間弱のキャンプリゾートに行ってきた

保育園が春休みになってしまったので、せっかくだからと小旅行することに。車で旅行に行くのは初めてだったので、あまり遠すぎないところ、と思って探して見つかったのがここ

towerparkresort.com

Lodi市にあり、サンフランシスコ市内からでも車で1時間ちょっとで行くことができる。

ここ以外にもキャンプできるところはベイエリアにもそこかしこにあるんだけど 1) 子供向けのwater playgroundや公園がある 2) 自分でテント設置とかじゃなくロッジがある ということでここに行くことに決めた。

直前の企画になってしまったので土日はロッジは満室、ということでこのリゾートには木曜日だけとまって、ついでに Lodiという町のダウンタウンと、Walnut Creekにある公園に行くことに。

Yogi bear's Jellystone Park™ Camp-Resort: Tower Park

今回の主目的だったリゾート。water playgroundはサイトの写真どおりでいい感じだったけど2歳の息子は水の量と他の子供たちに圧倒されて入らず、結局横のプールで水をすくって遊んでいた。 他のお客さんを見た感じ小学生くらいになるともっと楽しめるかな、という感じがした。

他にも公園や巨大トランポリン、バスケットコートなどがある。全体的にもうちょっと息子が大きいとより楽しめたかなと言う感じではあった。water playgorundは滞在証明のリストバンドを見せて入る必要があったけど、公園などは普通に入れた。あとはミニゴルフがあったりTシャツに色を染めるイベントがあったりするらしいけどタイミングが合わず参加しなかった。

自分たちが泊まったのは中くらいのグレードのバンガロー(リネン代こみで$170とかだったかな)、雰囲気があってなかなかよかった。お風呂のお湯はためれなかったしそもそも長時間お湯出せなかったけど、まあキャンプだと思えばそんなもんでしょう。

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water playground

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playground、奥に写ってるのがjumping pillow(トランポリン)

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バンガロー

Lodi

Lodiダウンタウンは田舎町という感じで特筆することはないかな。

Fun townという子供向け遊園地(?)があるっぽかったのだけど、自分が行ったときは閉まっていた

www.yelp.com

駅前のミニ科学博物館的なところが狭いながらも結構楽しかった

www.wowsciencemuseum.org

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Fun town (閉鎖中)

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科学博物館にありがちなやつ

Walnut Creek

Walnut Creekは正直自分が住んでるところからだと日帰りで十分行ける距離なのだけどなんだかんだ今まで行ったことがなかった。今回あまり期待せずに立ち寄った公園なのだけど、正直ここがこの旅で一番良かったかもしれない。

www.yelp.com

なによりプレイエリアが圧倒的に広い。体感的には普通の公園3つ分くらい。ただ5月にも関わらずとても暑かったので息子はややバテていた。噴水のある池やボタニカルガーデンもありそちらも良かった。

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プレイエリア、ここにも写ってないところがまだある