アメリカ在住 バイリンガル子育て 4歳半の今

アメリカに住んでいて悩ましい問題のひとつが、こどもの言語教育をどうするか、ということです。自分たちも試行錯誤する中で先人たちのブログなどを参考にさせてもらったので、我が家の状況も一例として書き残していこうと思います。

息子が生まれたあと、自分たちなりにいろいろ調べた結果、まずは母語である日本語を伸ばそうという考えになりました。いくつかオンラインの記事も読みましたが、書籍としては、トロント大学で名誉教授をされている中島先生の本が参考になりました。

本の趣旨としては「バイリンガルになるためには母語の力を育てることが一番」ということです。また、母語をまず育てることで第二言語の習得が容易になるという話もあります。

我が家の家庭状況について書いておくと、私も妻も日本語が第一言語で生まれも育ちも日本、テレビなどを見るときもほぼ日本語ですし、友好関係も日本語の方が多いです。家で息子と話すときも日本語ですし、絵本も基本的には日本語のものを日本のAmazonから買っています。アメリカに永住権があるものの、将来的には日本に帰る可能性もあると思っており、子供には日本語もできるだけ習得してほしいと思っています。

デイケア、プリスクール

私も妻も働いているため、子供を預けることになりました(妻はフリーランスで時間に融通が聞くため、最初のうちはパートタイムで預けていました)。チャイルドケアの変遷は以下のとおりです

  • 0歳: びびなびでベビーシッターさんを募集(日本語を喋る方)
  • 1歳: 現地のデイケア(英語)
  • 2歳: 日系のデイケア
  • 3-4歳: 日系のプリスクール

現在通っているプリスクールは日系で、通っている子供の半分ほどが日本語ネイティブです。先生も日本語ネイティブの方が多いですが、英語しか喋れない先生もいます。言語教育だけでなく、もちつきやこどもの日、七夕など日本の行事も取り入れてくださり、息子は楽しく通っています。

こどもチャレンジ

2歳の途中からこどもチャレンジをはじめました。公式に海外受講がサポートされており、販売店経由で契約できます。

楽しくひらがなや日本の文化に触れることができ、受講してとても良かったと思っています。アプリが海外からアクセスできないことだけが少し残念です。

絵本

絵本には投資を惜しまないというスタンスで毎月のように絵本を買っています。amazon.jpで頼むと送料で価格が倍くらいになりますが、一週間もしないうちに届いて便利です。

2歳の頃は「せんろがつづく」シリーズが大好きでよく読んでいました。そのあとは「バムとケロ」シリーズが好きでした。最近は自分で色々遊べるようになったので、前ほど絵本に関心がない気がしますが、僕がやっていた「5分間リアル脱出ゲーム」の本が何故か好きで一緒に謎を解いたりしました。

また「こどものとも」も海外購読しており、毎月新しい絵本が自動で届きます。こどものともシリーズは薄いので本棚もあまり圧迫せず便利です。

バークレーの中央図書館には日本語の本も本棚一つ分くらいはあり、ときどき本を借りています。図書館で借りた本だと「あいうえ おりょうり めしあがれ」「おいしそうなしろくま」「つばめこうくう」などが気にいっていました。

動画

動画も基本的には日本語のものを見せる事が多いです。2歳のころにトーマスにはまり、そのあとはおさるのジョージを繰り返し見ていました。最近はYoutubeでいろいろな動画を見るようになり、あまりシリーズものは見ませんがときどき「スティンキーとダーティー」を見ています。本人も日本語のほうがよくわかるのでトーマスの動画なども日本語版を見ることが多いですが、まだ翻訳されてない映画などを英語で見たりすることもあります。最近はYoutubeLEGOの動画や「slick slime sam」の工作動画などをみるようになり、英語のコンテンツにも拒否感が減ってきたような印象です。

大人も一緒に楽しく見れる動画を模索した結果、最近は「ザ!鉄腕!DASH!!」をよくみるようになりました。

英会話チューター

4歳まで日本語にほぼ全振りした結果、逆に英語に拒絶反応を示すようになりました。このままでは、このさきkindergatenなどで苦労するのでは、という思いがあり、英会話のチューターさんに週一度来てもらうことにしています。

Wyzant: Find Private Tutors at Affordable Prices, In-Person & Online で見つけた近所に住む先生に週一度来てもらい、英語で遊んでもらっています。

Transitional Kindergarten

私の住むカリフォルニアではTransitional Kindergarten (TK) という仕組みがあり、4歳の秋から(誕生日によっては)公教育を受けることができます。これはkindergatenに入る前の準備という位置づけで、任意になっています。我が家ではいろいろな状況を検討した結果、TKはスキップして今年は日系のプリスクールを続けつつ、上述のチューターさんなどを通じてもう少し英語力を強めてからkindergatenに行ってもらおうと思っています。

現在の言語力とこれから

さて、現在の息子の言語力はというと。日本語で一通り会話ができます。読んだ絵本からインスピレーションを受けて自分でお話を作ったり、自分が興味のあること(宇宙とか化石とか)についてパパやママに教えてくれることもあります。

ひらがなは一部読める文字があり(10-20字くらい?)、こどもチャレンジの「ひらがななぞりん」という教材でなぞり書きをしていたりします。ただ本人があまりひらがなを読めるようになりたいというモチベーションがないようで、本人のやる気が出るのを待っている状況です。かるたもたまーに遊びますが、文字ではなく絵を覚えている感じがします。

総合して、日本で生まれ育った4歳と比べても遜色ないくらいの日本語力なのではないかなと思っています。

一方の英語ですが、本人の中で「自分は日本語のほうが得意」という意識がやはりあるようで、プリスクールでも日本語を喋るこどもと遊ぶことが多いようです。一方で、アメリカで生活してることもあってか、英語を聞く力はそだっているようで、上述のチューターさんとも問題なくレッスンができています。

この夏は初めて息子をサマーキャンプに入れることになり、英語オンリーの環境に数週間放り込むことになりました。最初の週は毎朝行きたがらず大変でしたが、後半になるとなんとか楽しんで行ってくれているようでした。

最近はたまーに英語が交じることもあり(緑のかわりに「グリーン」といったりとか)、また「レッカー車はtow truckというんだよ!」と教えてくれたりするようになりました。英語の発音が良く羨ましい限りです。

来年からはkindergartenで英語での教育が始まりますが、引き続き日本語に興味を持ってくれると良いなと思っています。今年からひらがなの読み書きの教室が始まるのと、来年になると日本語補習校に行ってもらう予定です。