バークレー出産付き添い記
第二子が生まれました。今回も色々あったので記憶が新しいうちに記事にしておきます。
第一子を産んだときの記事はこちら
病院選び
第一子を産んだあとにイーストベイに引っ越していたため、今回はバークレー市のAlta Bates Birth Center にお世話になりました。例によって婦人科は違うところだったので、出産前に一度見学ツアーに行きました。
前駆陣痛?
予定日の一ヶ月以上前(33週)ごろ、夜寝ている時間になると妻のお腹が痛くなることがありました。お腹の中で頭をグリグリされている感覚だったのこと。これが前駆陣痛だとすると、出産まで一ヶ月くらいこれが続くのかな、と話していました。
夜間の痛みが2週間ほど続いたあと、少し出血がありました。妻いわく、第一子が生まれる直前の出血と似た様子だったとのことで婦人科を受診しました。婦人科で診察を受けた結果、特に子宮口が開いている様子はなく、ホルモンバランスの乱れで出血したのだろう、特に心配はないということでした。
突然の陣痛
ところが、産婦人科を受診した日の夜、これまでよりもさらに痛くなったとのことでした。また痛みの感覚も定期的で「これは陣痛なのでは」と妻は思っていたそうです。
前回の出産では早めに病院に行きすぎて、家に帰らされることが二回あったため、今回は陣痛がきっちり5分おきになるまで待っていました。午前5時頃、陣痛が5分おきになり、午前6時頃に産院に電話し、息子も連れて産院に向かうことになりました。
病院の駐車場に車を駐めて歩いているときに破水したかも、とのことでした。産院について子宮口の開きを調べるとすでに6cm開いているとのことで、分娩室に向かうことになりました。
Trial of Labor After Cesarean (TOLAC) and Vaginal Birth After Cesarean (VBAC)
日本では初産が帝王切開(cesarian section)であった場合、その後のお産も帝王切開とすることが一般的だと思います。アメリカでは(特に初産から時間が立っている場合)、まず経膣分娩を試みる(Trial of Labor After Cesarean)ことができます。分娩室で経膣分娩を試みるか帝王切開とするか改めて聞かれたのですが、このときまだ出産予定日の一ヶ月以上前だったこともあり、どうするか決まっていませんでした。メリット・デメリットを改めて説明してもらいましたが、あくまで我々の考えを尊重するというスタンスで,特にどちらがおすすめという感じではなかったです。
結局、予定日よりかなり早く胎児が小さいことが想定されること、また、うまく行かなった場合はあとから帝王切開に移行できることの二点から、まずは経膣分娩を試すことにしました。
Trial of Labor After Cesareanそして帝王切開
7時頃に産院についたあと麻酔をいれてもらい、10時頃に主治医が病院に到着しました。4歳の息子は出産には立ち会えないということで、友人の家で預かってもらうことになりました。何度か子宮口の開きを確認したあと、12時頃また確認して、子宮口が開いていたらお産にしましょうということになりました。
35週と1日での出産になるということで、胎児の肺機能がまだ出来上がってない可能性があるため、妻にステロイド注射をするか聞かれました。母体に注射をすることで、胎児の肺機能を助けられる可能性があるそうです。ただし理想的にはお産の24時間前に打つ必要があるらしく、今回はもうすぐ生まれそうだから別にやらなくていいか、ということになりました。
さて、いざ子宮口が開いたとのことで、何度かいきんだあと、産婦人科医が触診をすると、赤ちゃんの顔の向きが変な方向になっている(face presentation)とのことで、産婦人科医が手で方向を修正しようとしながらいきむことを何度か繰り返しました。
しばらくいきんだ後、結局赤ちゃんの顔の向きが変わらないということで、帝王切開に移行することをすすめられました。第一子のときと同様に妻は手術室に運ばれていき、10分ほど後に僕も合流することになりました。
手術室につくと30分もしないうちに無事に赤ちゃんが生まれました。顔が産道の方を向いていた影響で顔は痣だらけでしたが、無事に健康に生まれたとのことでした。体重は2190gでした。35週での出産と早かったこともあり、赤ちゃんはまずNurseryにつれていかれ、体温や血糖値の経過をみることになりました。2時間ほどしたあと、赤ちゃんは妻と同じ部屋に入れることになりました。この時点で5時をすぎていたので、息子を迎えに行き再び産院にもどりました。産院では大人は泊まることができるが子供はだめとのことで、夜8時の時点で僕と息子は家に帰ることになりました。
産後一日目
妻によると、第一子のときより薬が少なかったためか病院の方針のためか、来客が少なく前回よりは寝れたとのことでした。また、前回より術後の治りが良く、この時点で自分でトイレに行くことができていました。
病院の方針なのか、skin-to-skinという肌と肌をくっつけて赤ちゃんと触れ合うことをやたら推奨され、妻は多くの時間を赤ちゃんとskin-to-skinして過ごしました。skin-to-skinは赤ちゃんの体温を上げるため、また母乳が出るのを促進するのによいらしいです。
この日はbirth certificateの係の人やラクテーションコンサルタントや小児科が病室に来ました。息子は退屈そうでしたが、母親と離れるのが嫌なようで大人しく動画を見たりしてくれました。
Alta Batesの食事はメインディッシュだけ選べるような形式で、時間になると係の人が持ってきてくれます。あまり美味しい感じではなかったのと、付添人の分はなかったので、いろいろ持ち込んでいました。徒歩3分くらいのところにwhole foodsがあったので通っていました。
産後二日目
ドクターから、問題がなければ今日退院できると告げられました。娘は早く生まれたためカーシートテストというものをしなくてはいけないらしく、カーシートとともに娘は連れて行かれました。
カーシートに乗った体制でもちゃんと呼吸などができているかを調べる検査らしく、カーシートにのせられたまま一時間ほど数値を測定されていました。
特に問題はなかったらしく、無事にこの日の夕方退院することができました。
低体温、そしてNICU
退院したあと、娘は早く生まれたためか体温調整が上手ではないようで、触ると冷たく感じることがあり、妻は多めにskin-to-skinしていました。
退院した2日後の月曜日に小児科に行きました。小児科で体温を測りもろもろの検診をしたところ、検診の結果は問題ないが、体温が低いので測りなおすことになりました(ちなみに医療用のrectal、お尻で測る体温計でした)。ところが再度測ってもやはり体温が低く(97F以下)、skin-to-skinをしばらくしたあとで再度体温を測ろうということになりました。妻がskin-to-skinをしたあとに測ってもやはり低いので、僕がskin-to-skinをして測るということを何度かしましたがやはり体温は上がりませんでした。余談ですが病院の診察室の温度が低く、室温のせいで低くなったのでは、という気もしています。2時間くらい経ったあと、何度測定しても体温が低いので入院したほうがいいということになり、NICUのあるAlta Batesに紹介されていくことになりました。このときは低体温症のことを色々自分たちでも調べとても心配していました。
NICUにつくとナースにこれまでの経緯を聞かれ、もろもろの検診をしました。ところがNICUで体温を測定すると全く問題なく(脇で測るタイプの体温計でした)、ミルクも毎回20-40ml飲んでいておむつも一日6回ほど替えていると伝えると、すごく健康だね、と言われました。その後ドクターが来て、低体温の場合は感染症にかかっていることが心配なのでその検査だけ一応するということになりました。ひとまず一晩は娘だけNICUに入院することになり、僕たちは家に帰りました。
翌日になり病院に電話すると、娘は健康にしていて検査も結果待ちのものを除いて健康なので、今日退院できそうとのことでした。体温が低かったのはおそらく環境要因(部屋が寒かったのでは)とのことでした。昼前に迎えに行って午後には退院することができました。その後家でも何度か体温測定しましたが、97Fは超えていて問題無い感じでした。
更に翌日、再度小児科に念のためいきました。ここでの体温測定結果はやはり低かったのですが(96F台)、NICUで検査した結果問題なかったので大丈夫でしょう、ということになりました。
帝王切開の傷の話
入院中は前回より経過が良好と思っていた妻の傷ですが、退院後も痛みが続きました。退院した翌日(産後3日目)には黄色い液体がガーゼにしみていました。
退院後ibuprofen, tylenol, oxycodoneの3種類の鎮痛剤が処方されており、oxycodoneは自分たちで調べたところ麻薬であり母乳から流れることもあるためなるべく使わないようにしていました。6時間おきに飲めるibuprofenとtylenolをそれぞれ交互に飲むことで3時間おきになにかしら薬を飲むようにしていたのですが、産後一週間ほどは痛み止めを飲んでいても(特に効き目が切れてくる時間は)歩くのも痛いような状況でした。
さらに産後6日ごろに傷口の上にはっていたガーゼに緑色の液体のようなものがみられ、翌日急遽婦人科にいくことになりました。
婦人科で傷口のガーゼをとってもらうと、無事に傷は治っており、問題ないとのことでした。帝王切開をした際に、前回の傷口でケロイド化していた部分の皮膚も余分に切り取ったため、回復が前回より時間がかかっているとのことでした。また貼ったままだった傷口のガーゼが負荷をかけていた?のか、ガーゼを交換することで痛みがましになったようです。産後二週間ほどで普通に歩けるようになりました。