2022年振り返り 仕事編

毎年書いてる気もするけど去年も忙しかった。

現職の状況

ありがたいことにアメリカの景気が落ち込む前にすべりこみでシリーズBを調達でき、なんとかこの先数年は生き残ることができそう。この一年で社員が25人くらいから80人くらいに増えたのだけど、景気の先行きが不透明なこともあり、これまでよりは落ち着いた採用ペースになりそう。一方でエンジニアリング部門は人がぜんぜん足りない感じがしているので、来年も採用を進めていく予定。

head of engineeringとしてのお仕事

自分がhead of engineeringとして見るチームもこの一年でほぼ3倍規模になり、いまは35人くらいの大所帯になった。ソフトウェアエンジニアの他にtechnical support, QA engineer, data scientist, data analyst, devopsなども自分が見てるほか、integration managersも半分自分が見てるような感じなので1:1を含めてミーティングが山のようにあり、もはやそれ以外の仕事は朝早起きしてやるかミーティング中に片付けるという感じになっている。

先日、過去に急成長スタートアップでCTOだった人と話をしたときに「30人くらいが自分で全部見れる限界で、それを越えるとある程度諦めるしかないので逆に楽になる」というようなことを言われたけど、たしかに今がギリギリ自分である程度把握できるラインかもなという気がする。プロダクトラインや仕事内容に合わせてチームをいくつか組んで、今は自分の他にエンジニアリングマネージャが3人いる。諸般の都合でまだマネージャを擁立できてないチームが2-3あり、それらのチームにマネージャをたてれれば少しは楽になりそうな気がしている。

働き方としてはいまだにfounding engineerみたいな役割をしてしまうことも多く、例えばslackでなんか問題報告されてたときに30分くらいで修正できそうならサッとPR出しちゃうんだけど、そろそろもっとマネージャぽい仕事に専念したほうがいいんだろうなあというのを毎月のように思っている。残念にも辞めることになったメンバーから「kazuki is an engineer at heart who is managing, he is not a manager that writes code」というフィードバックを(否定的な意味で)もらい、本当にそのとおりだなと思った。

マネージャとしてのしごと

会社の成長に伴って自分に求められる役割も変わってきているなという感じがあり、マネージャの仕事とは?というのを模索した一年でもあったかもしれない。

エンジニアリングマネージャのしごとという本は基本的な部分をさっとさらうには良かった。

NO RULESにあった"context over control"という言葉がすごく良いなと思っていて、優秀な人を雇ってその人達が自律的にいい感じなことをして事業がいい感じに伸びる、というのが理想だよねと思っている。一方でチームが大きくなるにつれて交通整備的なことをする必要が出てきたり、マネージャである自分に意思決定をして欲しい人が出てきたり、その辺のバランスを試行錯誤している。

組織がある程度大きくなってきたこともあり、なんでもかんでも合議制というわけにはいかなくなったので、ある程度エイヤッと決めたりした。ミーティングガイドラインを作ってみたり、QA・リリースプロセスをつくってみたり。ところでガイドラインに際してはgitlabの公開資料は質がとても高く、毎回助けられている。

その他、マネージャの仕事の一つは自分の部署の仕事内容を喧伝することだと思っていて、隔週で全社向けに最近作った機能報告をメールで送りつけたり、隔週のデモミーティングの体制をととのえたりした。

マネージャの仕事のもうひとつとして部下のキャリア成長を支援するというのがあるのだけど、これは未だに塩梅がいまいちわかっていない。というのは自分の過去の上司にそういうのが上手なタイプの人がいなかった(気がしている)ので未だに正しい型が自分の中にない気がするのだった。ただこれはけっこうシリコンバレー的企業では大事なポイントなので、現在採用中のマネージャポジションの面接では深く掘り下げて聞いたりしている。

モチベーションとプロダクティビティ

部署が大きくなるにつれいろんなモチベーションを持つ人が増え、各個人の生産性にもばらつきが見えはじめる。ソフトウェアエンジニアの生産性はマイクロマネジメントしてあがるものでもないので、個々人のモチベーションを把握しつつ障害物を取り除くのがマネージャのしごと、とわかってはいるのだけど、言うは易く行うは難し。いまさらピープルウェアという本を読み始めてるけどけっこうよさそう。

採用

引き続き採用にはかなりの時間を割いている。特にtech lead/eng managerが全然採用できない。コードもかけてマネージメントもできるような人を探しているのだけど、全然居ない。ようやく良さそうな人を見つけたと思うとかなり予算オーバーになってしまう。ここは引き続き試行錯誤。

それとは別に、コスト削減的な意味でLATAMで採用を強化しようというのを今年の11月くらいからやっていた。まだそんなに面接してないのでどうなるかはわからないけど、ブラジルやアルゼンチンはサンフランシスコと比べるとエンジニアの給与が半分とかなので、フルリモートの弊社にとって、たしかにアメリカで採用する意味ないよなという気がしている。

実は数ヶ月前にも一回LATAM採用に挑戦したことがあったのだけど、そのときは採用通過率がかなり低く2人だけ採用してやめてしまった。仮説として「LATAMの候補者たちはアメリカ式のコーディング面接に慣れてなかったので落ちてしまった」というのがあり、今回は面接方法に関しても研究を重ねていきたい。

部署間連携

あとは他部署のコミュニケーションがだいじだよねということで部署横断ミーティング的なのをいくつか設定したりした。CEOが定例ミーティング嫌いで、いわゆるexecutive meeting的なのが現状ないし、全社ミーティングも月1なので、何もしてないと他部署の情報がほとんど入ってこないのだった(というのもあってメールでエンジニア部署の成果を送りつけたりしてる)。弊社はfoundersがセールスコールに参加してくれてる関係で自分はほとんどセールス関連のことには参加してないので、なにもしてないとセールスチームからの機能要望を見逃してしまうのでは、という不安がありセールスチームとのミーティング頻度をbi-weeklyにした。本当はPMにこういうのやってほしいんだけどhead of productがあんまりやってくれる感じじゃないので自分で勝手に設定しちゃっている。

つらつら書いたけどこんな感じかな。今年はよりマネージャーやマネージャーのマネージャとしての仕事が増えていきそうなので自分になにが求められてるのかを意識して頑張っていきたい。