オンラインで和食の食材を買う in サンフランシスコ

COVID-19で色々大変だけど、良いこともあった。それはオンラインで買えるものの幅が広がったこと。我が家はこれまで2週間に一回ほど日系スーパーにいってあれこれ買いだめしていたのだけど、その必要がなくなりそう。せっかくなので情報を共有したい。

Weee! 中華系アジアングローサリー配達のスタートアップ。納豆、冷凍うどん、ウインナーなどこれまで日系スーパーに行かないと手に入らなかった食材が買える。 配送が基本的に一週間以上先とかなのだけど、配送日が指定できるのは良い。Amazon Prime的な月額会員制度があり、それに加入すると送料無料 (ただし配送ごとにドライバーに払うチップは別途かかる)

ABS Seafood サンフランシスコ在住日本人の間でtwitterで話題になってた魚屋さん。刺し身グレードの鮮魚やウニが買える。

Mama Cho's 韓国系肉屋さん。週一でサンフランシスコに発送してくれる。豚肉の薄切りが買えるので便利(韓国風焼き肉の薄さかつ脂の多さなので完全に和食用の豚肉という感じではない)

Rainbow Grocery (instacart) サンフランシスコにあるベジタリアン向けのスーパー。冷凍うどんやなめこが買えるのでたまーにinstacart経由で注文してる。

Tokyo Central Weee!を知った今もはや使う頻度が減ってしまうかもしれないけど、以前までとてもお世話になっていた日系のオンラインストア。米、醤油などの重いものも買えるので重宝していた。

slingboxを導入した

アメリカにやってきて5年間、なるべく英語に触れようということで日本のテレビはあまり見ないようにしていた。だけど、子供ができた今となっては日本語のテレビが見れるほうが良いね、ということになったのでslingboxを導入することにした。

slingboxは海外で合法的に日本のテレビを見ようと思った場合にメジャーな手段で、日本においた機器から画像を転送して海外から見ることが出来る。ただし留意点として、デジタル動画の転送には権利上(?)対応していないため、別途HDMIコンバーターを挟む必要がある。

設置に際しては、まずはTVチューナー付きのレコーダーを買う必要がある。slingboxの公式サイトにのっている対応機種はどれもかなり古いので、かえって探すのが難しい。自分は対応機種一覧から選ぶのを諦め、価格コムであまり高くない機種を探して SHARP BD-NW1200 を買った。Slingbox M1 および コンバーターについてはまあ中古でも問題なかろうと判断し、ヤフオクでそれなりに値段が下がっているものを購入した。

それらをすべて実家に配送してもらい、帰省の際に設置した。設置はそれなりにややこしいがまあDVDプレイヤーの配線と同じ感じ。SHARP BD-NW1200 は公式にサポートされている機種ではないが、「シャープその他」みたいなリモコンでおおむね*1無事に動かす事ができた。

ということでアメリカに戻ってきてからSlingboxを利用して「いないいないばあ」などを見ている。テレビから簡単に見れるようにということで Fire TV Stickを購入した。

Fire TV Stick - Alexa対応音声認識リモコン付属

Fire TV Stick - Alexa対応音声認識リモコン付属

  • 発売日: 2019/01/23
  • メディア: エレクトロニクス

数ヶ月使ってみた感想としては、日本のテレビをだらだら見れるのはやはり便利。画質は一度コンバーターを挟んでいるためかネットワークが貧弱なためか、まあまあといった感じ。視聴に支障がある感じではないけど、高画質とは言い難い感じ。

操作感についてはまあしょうがないんだけど、けっこうもっさりしてる。アナログのリモコンをネットワーク越しにエミュレートしてる感じなので、どうしてもラグがあってもたついたり操作が直感的でない部分がある。もう慣れたけどもう少しやり方があればなあという感じ。

また、視聴途中にアプリが止まってしまったり、起動すると画面が真っ暗なことが数日に一度起きてしまう。たいていアプリを強制終了して再起動するとなおる。一度日本語のサポートに連絡してみたけどfire TVアプリは日本版では対象外ということでUSサポートにまわされてしまった。USサポートではアプリを再起動してね、以上のアドバイスはもらえず。

というわけでつらつらと愚痴っぽくなってしまったけど、しばらく見てなかった日本のお笑い番組が毎週見れるのはやっぱりいい感じ。芸人さんなど知らない人も多く浦島太郎のきもち。

追記 2020/03/29 - 今度は音が出なくなってしまった。サポートに連絡したけど「ケーブルが悪いのでは?」とのことで全く助けてくれず。

*1:一部動かせないボタンがある。赤緑青黄色の特別なボタンが押せないためキーワード録画ができない…

生後五ヶ月の息子を連れてPortlandに行ってきた

日本に帰国する前に、赤ちゃん連れで飛行機に乗る練習も兼ねてポートランドに二泊三日で行ってきました。オレゴン州ポートランドはサンフランシスコからは1時間45分のフライトなのでわりと気軽に遊びに行ける距離です。

空港まではタクシーで行きました。"sfo taxi car seat"などと検索すると、カーシート付きのタクシーをオンラインで予約できます。フライトについては、赤ちゃん連れで予約したためか、直前にプレミアムエコノミーの一番前の席に無料でアップグレードしてもらえました。離陸時と着陸時に少し泣いたものの、特に大きいトラブルなく到着することができました。

初日はSaturday marketに行ったほか、ダウンタウンにある雑貨屋さんとpowell's booksという大型書店をめぐりました。ダウンタウンは小さく、一日もあれば十分回れるような感じでした。Powell's bookはあまり期待してなかったのですが、雑貨や子供が少し遊べるスペースなどもあり、結構良かったです。

夜はホテルに滞在したのですが、お願いするとクリブを借りることができます。結局最終的には添い寝することになりましたが…

f:id:nkazuki:20190902150032j:plain

二日目は Oregon Zoo, Rose Garden, Japanese Gardenに行きました。どれも楽しかったですが、個人的にはJapanese Gardenがよかったです。段差が多くベビーカーではすべてまわることはできませんが、石庭などはしっかりと見ることができました。ちゃんとした日本庭園で、あまり混んでなくじっくり楽しめました。 f:id:nkazuki:20190728161310j:plain

三日目は雑貨を見ようということでSE Hawthorne Blvd と 35th-40thのあたりを見て回りました。半日しかなかったのですがいくつか雑貨屋さんを見れました。

総じて、ポートランドはコンパクトで治安も良いので赤ちゃん連れの小旅行にちょうどよいなと思いました。あんまり遠くないことがわかったのでしばらくしたらまた行きたいです。

f:id:nkazuki:20190727145322j:plain

サンフランシスコ出産付き添い記 at UCSF その3

前回のあらすじ

大変でしたが帝王切開の末、無事に赤ちゃんが生まれました

nkazuki.hatenablog.com

産後0日

手術室から入院部屋に移動した後、担当のナースからあらためて現状の説明を受けました。この時点では赤ちゃんは呼吸器が必要で、NICU(新生児集中治療室)に滞在しているとのことでした。僕だけいますぐ会うことも出来る*1、と言われたのですが、すでに午前3時を過ぎており、ひとまず眠ることにしました。個室にはゲスト用のソファベットもあり、僕はそこで眠りました。

また、このときに赤ちゃんの食事について、母乳とミルクのどちらを希望するか聞かれました。先輩ママさんから教えてもらったのですが、このとき「両方」と答えると両方に関連する器具などをもらえるのでお得だそうです。

朝の7時くらいになるとナースが状況確認と痛み止めの薬などのためにやってきました。この時点で息子は自力で呼吸をしており、呼吸器を外したと伝えられました。朝ごはんを食べた後にNICUまで様子を見に行くと、すやすやと元気に(?)寝ていました。このときはまだ点滴をつけていましたが、点滴が外れ次第自分たちの個室に来れるとのことでした。

母乳を出すためにこのときから搾乳をはじめました。産後数日の母乳は免疫力向上などに役立つ成分が多く含まれているため、たとえ数滴しか出なくても集めるように言われました。アメリカの病院にはラクテーションコンサルタントという授乳専門のアドバイザーがいて、搾乳やおっぱいマッサージのコツについていろいろ教えてくれます。指示された通り3時間おきに搾乳し、スポイトでかき集めた数mlの母乳*2をナースに預けて赤ちゃんに届けてもらいました。

出生届とSSNの申請に関する諸手続きもこの日に行いました。このときに出生届を出しましたという証明のようなものをもらえますが、実際の出生届は後日役場まで取りに行く必要があります。また、産婦人科と小児科の予約についてもこの日のうちに電話をしました。どちらもUCSF系列ではありませんが、特に問題はありませんでした。

夕方になると妻も少し回復してきて、自力で座ることが出来るようになったため、車椅子を押してNICUまで息子に会いに行きました。授乳の時間に合わせて行き、おっぱいをあげることができました。妻と息子を揃って見るのはこのときが初めてだったため、少しぐっとくるものがありました。

この段階では息子の世話はNICUのナースに任せきりだったので、この日の夜遅くに僕は一旦帰宅し、家のシャワーとベッドで一休みしました。

食事について

UCSFでは入院患者の食事は無料、ゲストは1回9ドルで食べ放題でした。部屋にそなえつけのiPadから好きなものを注文できます。味はまあ病院食として想定できる範囲だったと思います。 病院食 - サーモンのやつ 病院食 - ハンバーガとサラダ

産後1日

朝から搾乳したミルクを持って息子の様子を見に行きました。ドクターから経過の説明を受け、特に問題がなければその日の午後にはNICUから出れることを伝えられました。

夕方になると無事に息子が自分たちの個室にやってきました。朝とは別のドクターから再度経過についての報告を受けました。Jaundice(黄疸)が少し出ているのでとにかくミルクを上げてたくさん排泄させるように言われました*3

また、この日最初の入浴と身体測定がありました。

この日もラクテーションコンサルタントの方が来てくれ、おっぱいのあげ方とボトルからの授乳のやり方について指示を受けました。病院では封をあけるだけで使える液体ミルク (メーカは違いますがこういうやつ) を使っていました。別の哺乳瓶に移し替えて使えば4時間は持つので、2回の授乳に分けて使っても大丈夫とのことでした。

はじめての赤ちゃんなのでなかなか加減がわからず、この夜は大変でした。1-2時間おきに息子は起きるのですが、そのたびに授乳やらオムツ替えやらで30分程度かかるので、かなり細切れにしか休めませんでした。更に妻は数時間おきに痛み止めや鉄分の薬を飲むため起こされていました。また、ミルクをどれくらいあげればよいかもよくわかっておらず、手探りでした。

産後2日

この日も朝から赤ちゃんの対応で慌ただしかった気がします。

病院内をめぐるフォトグラファーの人が来てくれて、写真撮影をしたいかどうか聞かれました。撮影は無料で、写真の購入がだいたい200ドルくらいだったと思います。実はすでに産後14日にbaby photoの予約をしていたのですが、そちらはどちらかというとスタジオでおめかしした衣装を着せて撮るようなものだったので、病院での写真もお願いすることにしました(すでに親バカがはじまっています)産後は数日の違いでも顔が違って見えるので、お願いしてよかったです。

黄疸の数値が相変わらず高いということで、ドクターからミルクをもっと飲ませるように言われました。あまり飲ませすぎると良くないのでは、というようなことを聞いてみましたが、この時期は欲しがるだけあげて良いという感じの返答でした。 特に母乳の場合は消化が早く、新生児の場合はお腹いっぱいに飲んでも1-2時間で全部消化されるとのことでした。

また、母乳は新生児の体に良いということで、液体ミルクのかわりにドナーミルクを使うことを提案されました。サンノゼのミルクバンクから運ばれた他の女性のミルクが病院にあり、ナースにお願いすると温度を調整して持ってきてもらうことができます。入院中何度かお世話になりました。

母乳もだんだん出てくるようになり、一回で10mlくらい出るようになりました。この日やってきたラクテーションコンサルタントが結構スパルタ気味で、夜中であってもとにかく3時間おきにマッサージ→授乳→搾乳をするように言われました。

産後3日

あっという間に退院の日がやってきました。入院前は「たったの2,3日で退院させられるなんて」と思っていましたが、いざ入院してみると、早く家に帰りたくなっていました笑 入院中はひっきりなしにナース*4やドクターがやってくるし、ベッドの寝心地もあまりよくないし、食事も気になるメニューはだいたい食べてしまっていて、ちょうど良い頃合いでした。

退院

退院に際しては実際にカーシートに赤ちゃんをのせてシートベルトを装着した状態でナースに見せる必要がありました。事前に練習しておくとよさそうです。

僕たちは車を持っていないので、基本的に移動はLyftもしくはUberです。そのため、ベース部分がなくてもシートベルトだけで着脱出来るようなカーシートを探した結果 Baby Jogger City Go というものを使っています。ただ、これは最初に思っていたよりやや大ぶりで、車種によってはシートベルトの長さが足りないことがあるため、シートベルトを延長する器具の購入を検討しているところです。オンラインでいろいろ調べていたところ、Keyfitというメーカーのカーシートも小ぶりで良さそうでした。

はじめての出産ということもありだいぶバタバタしていましたが、いざ生まれてみると息子はとてもかわいく、妻に感謝する気持ちでいっぱいです。これからも子供のことについてちょこちょこ書いていければと思います。

*1:妻はまだ動けるような状態ではなかったので

*2:搾乳やマッサージのおかげで、現在では母乳の量も増え、基本的には母乳を飲ませるようになっています

*3:黄疸はアジア人にはよく見られるようですが、ひどくなると入院しての治療が必要になるとのことです。我が子は退院してすぐの検査でも依然として数値が高く、再検査を行い経過を見守る必要がありました

*4:しかもシフトの関係か数時間おきに担当者がころころ変わる

息子のアメリカパスポート申請をしてきた

生後4週間の息子を連れてパスポート申請に行ってきました。

申請に必要なものは国務省のサイトに書かれています。

  • Form DS-11
  • Birth certificate (市民権の証明と親子関係の証明)の原本及びコピー
  • 両親の身分証明書(グリーンカード)の原本及びコピー
  • 子供の写真 (USPSで取ることも出来るが事前にとっていくことをおすすめ(後述します))

このうち、Form DS-11は上のリンクからオンラインで記入できるため、あらかじめ記入して印刷しておきました。

申請は両親が揃っていくか、片方の親のみで行く場合は委任状が必要です。また、申請は基本的に事前に予約が必要なようです。上のサイトからオンラインで予約できます. 僕たちは家から車で20分程度のUSPSが最寄りの受付場所でした。

USPSにつくと、簡単に書類の確認をした後、写真を撮影するために別室に通されました。白い背景の前で、子供の顔を撮影してもらうのですが、これがなかなか大変でした… 目を開けている写真がとりたいとのことだったのですが、息子はぐっすり寝ており、足をくすぐっても、おむつを脱がせても、ワイプで体を拭いてみてもまったく起きる気配無し…少しぐずりはするのですが、目をしっかりと閉じたままでした。最終的には目を閉じていても良い*1ということになったのですが、ブサイクな泣き顔になってしまいました。この先5年間はパスポートを見るたびにこれを思い出してほっこりしそうです。

そんなこんなで無事に申請は完了し、あとは料金を払って終わりです。申請に際してはcheckかmoney orderのみしか支払手段が無いため注意が必要です。とはいえUSPSで申請する場合はその場でmoney orderを買うことが出来ると思いますが…僕たちはあらかじめcheckを持っていき、その場で記入しました。

パスポートは4-6週間で郵送されてくるとのことです。

*1:あらためて国務省のサイトを見ると "It is acceptable if the infant's eyes (particularly a newborn's) are not, or are not entirely, open." と書いてありました - https://travel.state.gov/content/travel/en/passports/requirements/photos.html

サンフランシスコ出産付き添い記 at UCSF その2

前回のあらすじ

陣痛が来たものの子宮口が開いておらず、病院に行くも家に帰されること2回。麻酔を打ってもらって少しだけ寝たのでした。 nkazuki.hatenablog.com

強くなる陣痛

その日の夕方になると陣痛が激しさを増してきました。妻によるともはや10段階の10を超える(!)痛みだったそうです。この日の朝は痛みに苦しむ妻の腰をさすったりしていましたが、この段階になると触られることも気が散るとのことでした。 あらためて1時間の間に陣痛が5分間隔で続いたことを確認し、再度病院に電話して向かうことに。三度目の正直です。これまでカーシートを持っていっていたのですが、あとで取りに帰ってくればいいやということでカーシートは一旦家に置いて出かけました。このときの妻は本当につらそうで、立っているのも大変という感じでした。

そして入院へ

ようやく病院につくと、またtriage室に通されます。今回は比較的早くナースが子宮口の様子を見に来てくれました。すでに子宮口は6センチ空いているとのことで、麻酔医をすぐに手配してくれると言われました。車椅子に乗せられ分娩室に運んでもらったのがだいたい午後8時頃だったかと思います。

再び電話通訳システムを利用しつつ、麻酔医から潜在的なリスクについての説明がありました。アメリカの出産においては一般的なエピドゥラルという麻酔をもともと利用するつもりであったので、ちょっと冗長な気もしましたが、重要な事項であるので通訳を通しましょうという感じでした。麻酔医の先生は通訳しやすいよう落ち着いてはっきり喋ってくれたので非常にスムーズに進んだように感じましたが、後で妻に聞いたところ、陣痛の痛みがひどかったのでとにかく早く麻酔を打ってほしく通訳の間が長く感じたとのことでした。

エピドゥラルを打ってもらった後は、数分ほどで痛みがひいたそうです。陣痛の感覚こそあるものの、ようやく一息つける時間になりました。1時間ほど後に子宮口の様子を見に来ると行ってナースが去っていきました。麻酔を打つと食事はできなくなるのですが、ジュースは飲んでも良いということで、病院の冷蔵庫にあるジュースを運んできて妻に飲ませたりしていました。

子宮口が開いた

1時間後に来ると行っていたナースが来てくれたのは結局2-3時間後のことでした。触診の結果、すでに子宮口が10センチ空いているとのことで、いきみに入ることになりました。ナースが入れ替わり立ち替わりながらバタバタしていました。陣痛に合わせていきみます。

陣痛10-20回分ほどいきんだのですが、なかなか子供が出てきませんでした。この先の選択肢について医師が説明してくれようとしたのですが、すでに午前1時をすぎていることもあってか全く電話通訳につながりません。

長い待ち時間のあと、ようやく通訳につながりました。この通訳さんは正直今回出会った中で一番ひどかったです。訛りもすごかったですし、医師が行っていることを理解できずに聞き返す場面が何度もありました。徐々に医師がイライラし始め、基本は通訳なしで会話し、僕たちが必要を感じたときに通訳をお願いするという方式に切り替えました。

吸引分娩
  • 赤ちゃんが疲れてきたため、器具を使って引っ張る吸引分娩を提案すること
  • 吸引分娩には赤ちゃんの頭に負荷がかかり内出血などの恐れがあること
  • 3回ほど吸引分娩をして進展がなければ即帝王切開になること

などを説明され、吸引分娩をすることになりました。

承諾書にサインをすると、あっという間に準備が進み、それまで部屋に3人ほどしかいなかったのが、7人ほどの医師とナースが集まりはじめました。妻がいきむタイミングで器具をはめ、引っ張るということを2回続けて行いましたが、赤ちゃんの位置がほとんど変わっていないということで、帝王切開に移行することを告げられました。

緊急帝王切開

妻はそのままナースによって手術室へと運ばれて行きました。出産後は別の部屋で入院することになるため、荷物をまとめるように指示されました。僕は荷物をまとめ、手術着を着て部屋でしばらく待機していました。

数分後にナースに連れられて手術室に入ると、すでに妻は手術台に横たわり、手術が始まってるようでした。妻の顔の横に椅子が用意されていて座ることができたのですが、そこからは手術されている部位は見えないので、進行状況は全くわかりませんでした(見てもわからないとは思いますが)

妻は麻酔の影響で震えており、しゃべるのも大変そうでした。手術による痛みは感じないが、とても寒く感じるとのことでした(これも麻酔の影響らしいです)。麻酔医は二人いて、おそらく一方は研修医の人だと思うのですが、あまり落ち着きがない様子でした。妻の腕に点滴のためか注射を打っていたのですが、うまく血管が見つからないのか左右の手どちらも数回づつ試した後、結局諦めていました笑この研修医の方に妻が寒がっていることを伝えたのですが、本人がいっぱいいっぱいなのか聞いてもらえませんでした(あとでベテランの方の麻酔医師さんが温かい毛布をかけてくれて、麻酔を温かいものに変えてくれました)

赤ちゃんが出てくるまでは30分位かかったでしょうか。状況がわからないこともありとても長く感じました。生まれてきたことを告げられてから、数十秒後に産声が聞こえ、その後また静かな時間が続きました。医師が自分たちのほうにやってきて「無事に生まれたが呼吸に難があるため別室に連れて行った」ということを伝えられました。赤ちゃんは生まれた瞬間から肺呼吸に切り替わるが、たまに切り替えがうまくいかない赤ちゃんがいるとのことでした。

手術した箇所を縫い止めている間にもナースが時々来て赤ちゃんが無事であることを伝えてくれましたが、この段階ではまだ赤ちゃんに会うことはできませんでした。すべて手術が完了して産後の入院部屋についたときには午前3時を過ぎていたと思います。そのまま眠りにつきました。

続く

サンフランシスコ出産付き添い記 at UCSF その1

最近第一子が生まれました。妻の付き添いでアメリカの病院に入院した記憶が新しいうちに記録に留めておきたいと思います。

病院選び

アメリカでは産婦人科(OBGYN)と実際に出産をする病院が違うことがよくあるようです。妻が通っている産婦人科CPMCという病院と連携していますが、UCSFで生むことも選べる、というように案内されました。サンフランシスコで出産する場合、CPMC, UCSF, Kaisar(Kaisarの保険に加入してる場合)の3つのどこかで出産することになるのではないかと思います。

  • UCSF Mission Bay が自分たちの家から近いこと
  • 見学ツアーに行ったときに設備が整っている印象を受けたこと
  • 日本語の通訳があると聞いたこと *1
  • 大学病院なのでなんとなくちゃんとしてそう
  • CPMCは2019年3月に新キャンパスに移動予定で、出産時点では設備が古いと聞いたこと

から、我が家ではUCSFで出産をすることに決めました。

特に事前の手続きなどは必要なく、普段通っているOBGYNにUCSFで出産したいということを伝え、陣痛が来たらOBGYNの方に電話するように言われました。

育休について

僕が勤めている会社はまだまだ小さく(従業員100人以下)、Googleなどのように恵まれた育休制度はありません。しかし、カリフォルニア州の法律およびサンフランシスコの条例で、父親は最大6週間まで給与と同額の育児補助金が出るようになっています。この休暇は分けて取ることもできるので、ひとまず産後4週間休むことにしました。補助金は出産後の日付からしか有効ではないのですが、予定日から休むと会社には伝えていたので、予定日から出産までの期間は会社の有給を使ったかたちになります。(この申請などについては改めて別の記事にしたいと思っています)

陣痛(その1)

予定日にOBGYNの検診があったのですが、そのときはまだ子宮口が全く開いていませんでした。

予定日から2日後の午前0時頃から、妻が生理痛のような腹痛を感じはじめました(僕は気づかず寝ていました)。このときはまだ痛みも軽めの生理痛程度で、間隔もまばらでした。そのまま家でゆっくりしていたところ、不定期ながらも痛みの間隔が5分程度に近づいて来ました。また若干の出血があり、これがおしるしなのだろうかと妻と話していました。痛みの程度は10段階中3くらいで、それほどの痛みではなかったとのことですが、はじめての出産なので陣痛の痛みというのがどの程度のものなのかまだわかっていませんでした。

OBGYNからは、5-1-1、5分おきに1分以上持続する陣痛が1時間を通して続く、という状態になると電話するように言われていました。必ず5-1-1かどうか微妙なところでしたが、OBGYNが通常の営業時間のうちに一度電話をしておくことに。状況を伝えると「出血があるのであれば一応病院の方に行ってみたほうが良い」と言われたので、入院のために準備していた荷物とカーシートを持ってUCSFへ。

病院の受付で陣痛で来た旨を伝えると、まずはtriage室というところに通されました。ここは胎児の様子を見守りつつ、子宮口が開くのを待つための部屋のようです。

看護婦さんが来てくれて胎児の心拍音と陣痛の進行を図る器具をつけてくれて、そこでしばらく待機していました。子宮口の開きをはかったところ、まだ0センチだということで、心拍音などの様子をしばらく見た後で帰ることに。結局病院には3時間半いましたが、ほぼほぼ放置という感じでした。

UCSFトリアージ室にてまだ余裕のある妻
まだ余裕のある妻

陣痛(その2)

その翌日、予定日から3日後の朝、陣痛の痛みがひどくなった妻に起こされて午前5時頃に目覚めます。このときは陣痛は5分おきに来ていて、10段階中7、痛みで寝れないほどだったそうです。

UCSFに電話したあと早速また荷物一式を抱えて向かいました。病院につくと、ゆったりした受付のお姉さんから「まだカーシートはいらないわよ」と茶化されました。

またtriage室に通され、しばらく待った後子宮口の様子を見てもらったところ、なんとまだ0センチでした。

役に立たなかった通訳

しばらくして部屋にナースのお兄さんが入ってきました。いくつか質問をしたいとのことですが、僕たちが英語ネイティブでないことに気づき、通訳を使うかと聞かれました。僕はアメリカの会社で働いて4年になりますが、医療用語はわからないものもあり、通訳をお願いすることに。病院見学に来たときはオンサイトの通訳者さんがいるはずと言われたのですが、実際には電話会議システムを使った通訳でした。

f:id:nkazuki:20190227124620j:plain
通訳マシーン

iPadを固定したタイヤ付きの台をお兄さんが持ってきて、言語を指定すると日本語話者の通訳さんに繋がりました。最初の自己紹介のようなやり取りのときに、英語がかなり日本訛りだったことが印象に残っています(人のことは言えませんが、プロの通訳はもっと発音が良いものと思っていたので…)

このときの問診は特に新しい情報はなく、陣痛の間隔や痛みの程度について、すでに答えたような内容を再度答えるような感じでした。電話通訳を使った感想としては「別になくても良かったな」というのが正直なところです。カメラもない電話通訳のため、通訳者さんはまず患者が置かれてる状況がわからず、ナースの会話に対して聞き返すこともしばしばでした。通訳がしやすくなるようナースがゆっくりしゃべっていたので、自分たちでも90%以上は問題なく聞き取ることができたため、通訳の間を待つ間が長く感じることがありました。

一時帰宅

ドクターからは家に一旦帰ったほうが良いということを言われましたが、行ったり来たりに疲れていた僕たちはドクターと相談して少しだけ様子を見させてもらうことに。また痛みで寝れないということを相談すると、morphine(モルヒネ)を打ってくれると言われました。痛みが和らぎ眠気が促進されるため、妊娠に備えて少し寝るべし、とのことでした。

一時間ほど待った結果、痛みは10段階中8ほどになっていましたが、子宮口はまだ1センチしか開いてないとのことで、モルヒネを打ってもらい帰宅することに。一旦寝て、もっと耐えられないほどの痛みがやってきたら再度来るように言われました。このときは病院に4時間半滞在していました。家についた後は妻は数時間寝ることができました。

続き

nkazuki.hatenablog.com

*1:結果的にはこれはむしろ逆効果で、それなりに英語が喋れる場合は通訳は無いほうがかえって話がスムーズだと感じました